長距離の病院へ転院付き添い

■どういった場面に看護師が付き添っているのか

新型コロナウイルスの1日の感染状況が全国的にも徐々に落ち着いてきました。以前のような外出・移動制限も無くなったことで、外出や旅行に行く機会も増えてきた印象です。
日本ツアーナースセンターでも、個人の家族旅行や企業、団体の宿泊行事のご依頼は以前より増えてきております。
また、旅行以外でも看護師が付き添う場面は多数あり、例えば孫の結婚式に参列したい、長年行けていない故郷のお墓参りに行きたい、長距離の病院へ転院の際に同行して欲しいなど様々なご依頼をいただいております。
日本ツアーナースセンターでは上記の場面に何度も看護師を手配させていただいております。

今回は「長距離の病院へ転院付き添い」に着目し、当日の流れ、看護師の役割と介護タクシー/福祉タクシーとの料金比較について事例をもとにお話ししていきたいと思います。

■■ちょこっと余談■■シニア世代の楽しみって何?

シニアの生活意識調査によるとシニアの現在の楽しみは1位に「旅行」がランクインしております。最も楽しみな旅行ですが、年齢と共に足腰の筋力が弱り身体が思うように動かなくなり、家族に迷惑をかけたくないと考えて控える方も多いのが現状です。
また、近年では少子高齢化が進み一人で生活される高齢者も増加しており、人との会話や外出をしないため社会的に孤立し病気や認知症の発症・進行、孤独死といった問題もあります。

日本ツアーナースセンターではオプションとして「ヘルパー」の付き添いも行っておりますので、介助が必要な方も安心して旅行を楽しんでいただけます。
病院では食べることのできないグルメを楽しまれたり、外出することで心も身体もリフレッシュされ刺激を与えることで脳が活性化し認知症予防にも繋がると言われています。
家族旅行に行かれた後、病院へ戻られるとこれまで入院中に見せていた表情とは違い顔色が良く笑顔が多く見られるようになったという報告もいただいております。(日本ツアーナースセンターの看護師も旅行に付き添いました)

➀ご利用までの流れ

主治医より万が一に備え看護師が同行することが条件で退院を許可されることがあり、病院の看護師が付き添えない場合にて当社のサービスを利用されます。
日本ツアーナースセンターでは、これまでに寝たきりの方や医療行為が必要な方、精神障がい者の転院の支援に携わせていただきました。看護師は退院する病院から入院先の病院まで付き添うことが可能です。
また、ご利用者・ご家族にお話しを伺うと「慣れ親しんだ所で家族の側で過ごしたい」「余命はわずかだが最後は家族の近くで過ごして欲しい」など様々な想いがあって転院されていることがわかります。
ご依頼時は必ず病院の医療ソーシャルワーカー、ご家族様よりご利用者の身体状況(既往歴など)を伺い「看護サマリー」「診療情報提供書」「お薬の情報」をいただき看護師へ情報を共有いたします。その後、病院へ転院する際の移動手段の確認を行い、飛行機での移動の際は提携先のANAやJAL 係員と連携し空港や機内での必要なお手伝いの手続きもサポートさせていただきます。
また、寝たきりや車イスのご利用者の場合はストレッチャーなどが入るワンボックスカーまたは介護タクシー/福祉タクシーのご手配をご家族様にお願いするなど事務局がアドバイスをさせていただくこともあります。
あらゆるリスクを想定しながら行程表(当日の流れ)を作成し、当日まで医療ソーシャルワーカー、ご家族様、同行看護師、事務局と連携しながら調整していきます。

■■ちょこっと余談■■当日忘れ物には注意?

ご家族様にはお薬は絶対に当日忘れないでくださいと事務局より何度もお伝えさせていただくことがございます。飲み忘れにより副作用を引き起こす可能性があり、また治療の効果を十分に得ることができなくなりますので忘れずに持っていきましょう。
病院とは違い空港、新幹線、タクシー内にはオムツやパット、お尻拭きシート、ビニール袋(排泄物の処理)などは用意されていないため、必要な際はお持ちちいただくようご家族様へお伝えしております。
また、長時間の移動時に車イス・ストレッチャーにて同じ体勢でいると褥瘡が出きてしまう恐れがあるため、体位変換を行い床ずれを予防できるようクッションやタオルもご持参いただくことがあります。

➁看護師の役割

看護師が同行することで、主に「体調管理」「服薬管理」「応急手当」「身体介護」などの対応をいたします。医療行為につきましては、現在2022年10月時点では医師法、保助看法に基づき原則日本ツアーナースセンターでは行っておりません。(日本ツアーナースセンターホームページ参照)ただし、ご家族様がたん吸引やインシュリン注射を対応される際には看護師も横に付き医療的なフォローをさせていただいております。(インシュリンの注射タイミングも管理いたします)
また、看護師が付き添うことでご利用者の急変時に早期発見することができるため、そういった意味でも安心であると考えられます。

■■ちょこっと余談■■救護セットって何が入っているの?

日本ツアーナースセンターでは、救護備品「救護セット」もご用意しております。看護師が付き添っているとはいえ医療器具が無ければ判断できない場合もございます。
そこで重要となってくるのは「血圧計(上腕)」「体温計(腋下)」や「パルスオキシメーター」にて酸素飽和度(SpO2)を把握することで様々な判断材料の重要指標となります。看護師さんと一緒にオプションとしてつけさせていただきますので、もし救護備品がご用意できなければ是非日本ツアーナースセンターの救護セットをご依頼ください。

➂日本ツアーナースセンター、介護タクシー/福祉タクシーと料金比較

改めて病院の転院時に利用する移動手段についてまとめてみました。

・新幹線
・飛行機
・介護タクシー/福祉タクシー
・民間救急
・ご家族様の車orレンタカー

昨年開設された日本ツアーナースセンターでも、上記の移動手段で転院の付き添いを行ってきました。
今回は介護タクシー/福祉タクシーを利用した時と日本ツアーナースセンターのサービスを利用し新幹線で移動した場合の料金を比較してみました。

秋田駅→岐阜駅への転院
●前提条件
ご利用者1名、ご家族様1名、看護師1名で移動

●介護タクシー/福祉タクシーと新幹線の料金比較

≪介護タクシー/福祉タクシーに看護師が付き添いした場合≫
740km、約10時間、タクシー料金約29万円、看護師費用15万円、高速費用1万円
【合計:約45万円】

≪新幹線に日本ツアーナースセンターの看護師(秋田県在住看護師)が同行した場合≫
約6時間30分、(行き)交通費25,390円×3名=76,170円、看護師費用約5万(救護セット+遠方移動に伴う加算込み)、復路看護師交通費25,390円
【合計:約15万円】

差額:約30万円

★介護タクシー/福祉タクシーについて
介護タクシーとは、要介護者を対象に介護保険が適用される「訪問介護サービス」の一つとなります。ご利用者の介助ができるご家族様が同乗できる場合は、介護タクシーを利用する必要がないとみなされるため同乗することは原則できず、介助が必要とされるご利用者本人だけが介護タクシーに乗車することが認められています。ただし、市区町村の判断で同乗する理由があると認められた場合(携帯酸素利用・利用者の健康状態によって)は可能となっています。
介助が必要となった際はヘルパー資格(初任者研修~)を保有している運転手や看護師が対応されます。

介護保険適用外の福祉タクシーもあり、バリアフリー環境は整っていますが運転手が介護資格を保有していないため、乗降の際の介助等ができる方の同乗が必要となってきます。福祉タクシーは要支援者も対象となり、利用目的の制限もありません。

■最後に

今回は病院の転院時の付き添い支援についてお話しさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。ご利用者がご家族様と離れて生活されていた場合、ご家族様の意向で近くの病院へ転院となると長距離の移動となります。日本ツアーナースセンターのサービスを利用された依頼主からは「想像以上に日本ツアーナースセンターの看護師付き添いは安いので驚きました」というお声を頂戴しております。
一時的な外出とは異なり長距離移動となるとご利用者が急変される可能性がありご家族様も不安に思われるため、そういった不安を”安心”に変えられるよう看護師が同行し身体的、精神的にサポートを行うことができます。
日本ツアーナースセンターでは全国各地に経験豊富な看護師が登録されていますので、地方の転院移動の際はまず一度ご相談ください。
看護師が付き添うことでご利用者、ご家族様の「安心」をこれからもサポートしていきたいと思います。

参考記事
ソニー生命

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