旅行に行きたいけど、医療と介護が心配

■毎年楽しみにしていた三世代旅行

新型コロナウイルスが感染拡大に伴い外出制限などの感染対策がなされたり、高齢者はとくに感染の恐れの観点から、旅行やお出かけがしにくい状況にありました。
その後、新型コロナウイルス対策は緩和され、政府が実施する旅行支援も始まったことで宿泊費の割引やお買い物で使用できるクーポン配布など、旅行や外出を後押しするサービスが始まりました。

高齢者にとって外出制限は様々な楽しみがなくなり人との交流の場所が失われ、元々の生活や余暇の活動が大きく変化していました。
病院に入院していたり介護が必要となり施設で生活する方にとっても、家族との面会が困難となったりと、より閉鎖的な環境で我慢をしいられる場面もありました。また、毎年楽しみに行っていた三世代旅行も実現できなくなってきたという声も聞きます。

今こそ、旅行に行きませんか?
家族の思い出作りをしませんか?

日本ツアーナースセンターでは旅行や外出の際に医療・介護の側面から様々な「叶える」をサポートさせていただいています。

今回は「家族旅行」に着目して実際にご相談があった旅行中に不安に感じることを事例を基に書いていきたいと思います。

■■ちょこっと余談■■シニアが孫としたいことは?

ソニー生命保険株式会社により2022 年8月2日~8月3日の2日間に実施された全国のシニア(50 歳~79 歳)の男女に対しての「シニアの生活意識調査」によると、シニアが今孫としたいことは1位「外食」2位「旅行」3位「会話」でした。コロナ禍となり家で過ごすことが多くなり、遠方に住んでいる家族と疎遠になってしまった影響もあり一緒に外出したり会話を楽しみたいと思っている方が多い印象です。
1日でも早くコロナが収束し通常の日常が戻ることを願うばかりです。

➀旅行で不安に思うこととは?

さて、皆さんも旅行に行く前には様々なことを想定して準備されると思いますが、介助が必要となったおじいちゃん、おばあちゃんを旅行に連れていく場合はどうしたらよいのでしょうか?
日本ツアーナースセンターにお問い合わせいただいた際にご相談があった旅行中不安に感じることを3つご紹介いたします。

・車椅子のおじいちゃん、おばあちゃんを自家用車や飛行機、新幹線に乗せたいけどできるのか不安
・温泉に入れてあげたいけど車椅子なので入れないかな?
・普段病院・施設では排泄介助をしてもらっているけど、旅行中自分たちでオムツ介助できるかな?

日本ツアーナースセンターでは、上記のような不安を解消できるよう事前にご家族様・病院・介護施設よりご利用者のお身体の状態、ご病気の状態、介助の方法をお聞きし、サポート内容を計画していきます。また、同行いただく看護師にも事前に情報を共有し、当日起こりうることを想定しながら医療的な部分のサポートをいたします。

例えば、車で移動される際は車椅子のままでも乗れるようなワンボックスカーをレンタルすることがあり、新幹線で移動する際は身体が不自由な方が優先して入ることができる「多目的室」を事前に手配いただくようご依頼主へお伝えすることもあります。
また、日本ツアーナースセンターは航空会社のANA・JALと提携していますので、飛行機で移動の際は座席の調整など係員へ確認を行ったりしています。看護師・ヘルパー、係員の補助があれば、座席へ移乗し座ることも可能となります。

■■ちょこっと余談■■新幹線の多目的室とは?

先ほど新幹線の多目的室についてお話ししましたが、意外と知らない方もいるかもしれないので少し触れておこうと思います。介助が必要な方が利用することができる個室であり、全ての新幹線の車両に設置されています。ベッドになれるシートがあるので横になることも可能です。また、車両によっては看護・介護者が座れる席もあるためそばで見守りもできて安心です。
別途費用は発生しませんが、事前に予約をしないと利用できないため注意が必要です。

➁車椅子でも入れる温泉ってあるの?

せっかく家族全員で旅行に来たのに車椅子のおじいちゃん、おばあちゃんだけお風呂に入れないというのは寂しいですよね。普段は入浴できず清拭だけなのでゆっくりお風呂に入らせてあげたいという想いも聞くことがあります。
実は車椅子の方でも入ることができる「介護リフト」が設置されたバリアフリー温泉は全国各地にあります。日本ツアーナースセンターでは、車椅子の方でも入れる温泉に看護師が付き添った経験があります。また、事前に車椅子のまま入れる温泉も調べたりすることがあり、車椅子対応の貸し切り温泉があるホテルもあります。
介護リフトの種類は電動で入れるリフトや横になったままでも入れるストレッチャー式もありますので、ご利用者の身体状況をしっかり確認してご予約いただきます。
実際に足湯だけの予定でしたが看護師が介助に入り胸下まで温泉を味わっていただいたこともありました。その後、病院に戻った後も清拭だけではなく週に何回かお風呂に入るようになったというエピソードもあります。(日本ツアーナースセンター実績)

■■ちょこっと余談■■入浴の時に気をつけることって?

入浴は空腹時や食後すぐは控え、入浴前に必ず体調を確認することが望ましいです。看護師が同行している場合は、ご利用者の身体状況を見ながら入浴できるかどうか判断を行うことがあります。血圧や体温などが事前に確認していた普段の基準値と違う場合は回復するまでお部屋で休んでいただく場合もあります。
温泉場や脱衣所では、滑りやすく、転んでしまう可能性があるため、看護師・ヘルパーなど専門スタッフが安全第一に入浴のお手伝いさせていただきますのでご安心ください。

➂オムツ介助もしてくれるの?

最後はオムツ介助についてです。病院・介護施設ではオムツ介助を行ってくれますが、もし旅行に連れていく場合は家族がしないといけません。
看護師がオムツ介助を行うことは可能ですが、片マヒや自身で身体を動かすことが困難で介護負担が大きい場合は、オプションのヘルパーが補助で同行することもあります。ベッドへ移り変わる時など身体の支えが必要な際はご家族様にお手伝いをお願いしていますが、ヘルパーがいれば介助いたしますので負担を軽減することができます。

■■ちょこっと余談■■オムツ介助時に必要な物は何?

オムツ介助時にご用意いただく物品は主に下記の通りとなります。

・普段使用しているオムツ
・普段使用しているパッド
・お尻拭きシート
・ゴム手袋
・ビニール袋

宿泊しているホテルの近くにドラッグストアがないといざという時に困ってしまうため、オムツ・パッドは余裕を持って準備いただくようご依頼主へお伝えしています。
また、皮膚の清潔を保つことで褥瘡(床ずれ)の対策にも繋がりますので、排便や尿をしっかり拭き取ることができようお尻拭きシートも必要であると考えられます。
そして、介助中に着用するゴム手袋と使用済みの物品を処理するためのビニール袋も忘れずにご用意いただければと思います。

■最後に

今回は実際にご相談があった旅行中の不安についてお話ししてきましたがいかがでしたでしょうか?
新型コロナウイルスの流行で、病院や介護施設では面会が遮断され家族ともコミュニケーションが取れず外出も制限されてしまうなどご高齢者の生きる楽しみが減ってきています。
それでもおじいちゃん、おばあちゃんを楽しませてやりたいという想いから旅行を計画されますが中々一歩踏み出す勇気が出ずに諦める方もいます。
そういう時にはプロである看護師・ヘルパーに任せることで、家族と過ごす時間を作ることができ、安心して旅行を楽しむことができます。

日本ツアーナースセンターのサービスを利用したご依頼主より「看護師・ヘルパーが同行いただいたおかげでゆっくり休むことができ負担がなく、ゆっくり旅行を楽しむことができました」と喜びの声もいただいています。
お家で介護されている方も、ゆったりとしたひと時を過ごしていただけるよう、私たちにお手伝いさせてください。

これからも皆さまの想いを叶えられるようサポートさせていただきます。

参考記事
ソニー生命

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