結婚式に看護師が付き添うことで

■自分の希望を伝えることが“ワガママ”?

内閣府による「全国の55歳以上の方への健康に関する調査結果(出典:平成29年高齢者の健康に関する調査[内閣府])によると、日頃の医療サービスの利用頻度は、「月に1回くらい」が 35.8%で最も高く、次いで「月に2、3回くらい」が10.4%となっています。ちなみに「週に1回くらい」から「ほとんど毎日」医療サービスを利用をしている方を合計すると、53.2%になりもいます。まさに、55歳以上の方であれば、半数以上の方は毎月医療サービスを利用していることとなります。

このうち「週に4、5回くらい」(0.6%)、「ほとんど毎日」(0.6%)に該当する合計1.2%の中には、突然医療サービスが必要となる可能性のご心配から外出を控える方も多いのではないでしょうか。

また同調査で、介護が必要な状態(要介護2程度)になった場合に不安なこととしては「家族に肉体的・ 精神的負担をかける」(50.6%)、「身体の自由がきかなくなる」(40.5%)、「介護に要する 経済的負担が大きい」(28.8%)が上位3項目にあげられています。

高齢になると病気等から入院や通院等の病院にかかることも増え、医療や介護が心配で冠婚葬祭や旅行、外出を諦めている方も多くいらっしゃるのではないかと思います。高齢者自身が家族への遠慮や自分の希望を伝えることが“ワガママ”だと感じてしまい、「迷惑をかけたくない」という想いから、周囲から孤立してしまうケースもあり、まず安心して話せる環境づくりや雰囲気づくりが大切です。

■ご存じですか?看護師が付き添いしてくれる「ツアーナース」

「結婚式におじいちゃんを招待したいけど介護が必要だから無理かな」
「孫の結婚式があるみたいだけど、入院中だから行けないか」

という風に、ご家族の結婚式の列席・参列を諦めてしまったという経験はありませんか?
入院中や通院中であったり、往診などの医療サービスを日ごろ利用している方や、介護が必要な方でも、「ツアーナース」という看護師が付き添うサービスについて多くの方は知らないのではないかと思います。また、「親の医療や介護の問題は、家族で何とかしなくては」という想いから、他人に助けを求めることに抵抗感がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、看護師が付き添いしてくれる「ツアーナース」についてご紹介してきます。

■団体旅行に付き添うだけじゃない看護師

「ツアーナース」とは学校や企業の宿泊行事、個人や団体の旅行、イベントなどに看護師として同行し、参加者の健康管理や突発的な病気やケガの初期対応を行う仕事です。
実は「ツアーナースは」このような旅行への付き添いだけではなく、冠婚葬祭といった様々な場面でも付き添うサービスを行っております。ちなみに私たち日本ツアーナースセンターへのご依頼で一番品きは何といっても結婚式の付き添いサービスです。
結婚式は人生にとって思い出に残る大切な日だからこそ「家族や親族他多くの方々に列席してもらいたい」と願われることと思いますが、結婚式当日は多忙で家族の介護や付き添いをする余裕もなく、誰かに頼むこともできないから諦めてしまうといった方々が多くいらっしゃいます。私たちはそのように諦めてしまう方や、介護が必要なご家族の列席に対する不安を少しでも減らしていきたいと強く思っております。

日本ツアーナースセンターの看護師はどういう人?

日本ツアーナースセンターに登録ちなみに付き添っていただく看護師は、北海道から沖縄まで全国にいます。普段は病院やクリニック、介護施設などで勤務されていて、旅行が趣味という方や、看護師免許を活かしながら新しいことに挑戦してみたい、困こまっていえる人の力になりたいという想いから「ツアーナース」をしてみたいと方など、様々な看護師が登録しています。

知り合いの看護師におねがいするとどうなるの?

友人や知り合いに依頼するケースも稀にあるかもしれませんが、実際のところ顔見知りだとご本人が気まずい場合や、もし看護師が風邪をひいて当日来られなくなってしまったら(前日に断られてしまった)・・・万が一ご利用者さまが事故にあったらどう責任をとるの・・・と責任を負わざるを得なくなってしまう可能性もあるといった不安の声もあり中々快く受け入れられず、当日の結婚式に付き添えなかったケースもあります。
友人や知り合いの看護師の為にも、しっかりとした専門サービスにお願いすることにより、ご依頼主さまや看護師の両者が気持ちよく結婚式に参加することができるのです。
また、当日勤務いただく看護師が万が一勤務できなくなった場合でも代わりの看護師を手配いたします。

結婚式に看護師の付き添いを依頼したときの流れ?

日本ツアーナースセンターにお電話またはウェブよりお問い合わせいただき、事務局からご依頼主さまにお電話やメールにてご連絡いたします。

・ヒアリング内容
ご依頼の目的、日程や開催場所、結婚式場までの移動手段、ご利用者さまの容態や必要なケア、ご家族さまが結婚式当日にどの程度介護などの支援ができるのかなどをヒアリングさせていただきます。

・情報収集と看護師の手配
ツアーの内容・日程・目的ご利用者さまの全体像把握(看護・介護サマリ、診療情報提供書を参照)などを、ご家族さまの同意をいただいた上で、主治医・病棟看護師・医療ソーシャルワーカー・ケアマネージャーなどの専門職の方から情報収集を行います。結婚式会場またはご自宅近隣に在住する看護師や、ご利用者さまの性別に合わせ女性や男性の看護師を探すなど手配を行います。当日のプランニング等を行います。

プランニング等もお時間に余裕をもってしっかりと行います。

・結婚式場のスタッフと連携
ご家族様と最終確認を行い、当日の式場のスタッフに「洗面所は車いすが通れる広さなのか」、「ご利用者さまが横になれる休憩場所にベッドを準備してもらえるか」などの確認を行い当日にを迎えます。

結婚式に看護師が付き添った事例

事例1 当日のみ付き添い(飛行機での事例)
【年齢】60代 女性
【移動先】都内の病院⇒沖縄の式場
【事前の準備】
日本ツアーナースセンターがご利用者さまの身体情報を事前に確認し、航空会社と連携し、空港内の車いすの手配、機内の座席の調整のサポートをします。また、空港内で食事をとるために、事前にレストランを予約する場合もあります。

事例2 日帰りの付き添い(介護タクシーでの移動)
【年齢】70代 男性
【移動先】福岡の自宅⇔福島の式場
【事前の準備】
タクシー内でご利用者様が長時間座ることが難しい場合は、ストレッチャーが入る大型の介護タクシーを手配いただく場合もあります。また、終末期後期により当日、参列ができない場合も想定し、ウェブカメラにて参加できるようご自宅にパソコンと、結婚式場のスタッフの携帯電話がTV通話できるように手配をする場合もあります。

事例3 前日からの付き添い
【年齢】80代 男性
【移動先】自宅⇒前日より式場ホテルに宿泊
【事前の準備】
病院ではおむつ・パッドは用意されているが、式場では用意されておらず当日買いに行く余裕もない為、事前に多めに用意していただくようご家族さまにお伝えしました。また、万が一の尿汚染してしまった場合に備え、お着替えも準備いただくようご家族さまお伝えしました。

結婚式に看護師が付き添うメリットとデメリット

【メリット】
・披露宴中に体調不良になった場合に家族は中座せず看護師と本人だけで控室に行き看護師に任せる事ができる
・レスパイトケアにもつながる

【デメリット】
・やはり費用がかかってしまう
・当日までの事前準備が大変(介護タクシー・新幹線・飛行機の手配など)

デメリットがある反面それに上回るメリットがあるからこそ日本ツアーナースセンターにお願いしていただけることが多いのです。

「安心して結婚式に集中することができました」「行く前は不安だったけれど無事連れ来られてよかった」「日本ツアーナースセンターにお願いしてよかった」という部分が大きなメリットではないかと思います。心配があればご相談ください。沖縄でも北海道でも対応します。私たち日本ツアーナースセンターは、結婚式だけではなく諦めていた個人の外出や旅行も、看護師が同行することで「諦めない」を実現できるお手伝いをしたいと強く考えております。

参考記事
内閣府「平成29年 高齢者の健康に関する調査結果」

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